WebデザイナーがWebサイト制作の時に注意すること。

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先日久しぶりにクライアントからのWebサイト制作の依頼をいただきました。

最近は自社サービスのデザインやコーディング、ライティングをしているので、クライアントからの仕事受注はすごい久しぶりです。

自社サービスと並行して頑張ってこなしていこうと思います。

以前Webサイト制作を受けた時は右も左もわからなかったため、わりと地獄を見ました。

今回はその経験を踏まえてWebデザイナーがWebサイト制作を受注した時に気をつけることをまとめました。

ベテランのWebデザイナーさんからしたら当たり前のことかもしれませんが、僕はまわりに聞く人もいない中、一人で突っ走っていたのでいろいろと不手際だったんですね。

今回は絶対そうならないようにしたいので、教訓として記事にします。また、僕のように駆け出しのWebデザイナーさんが同じ轍を踏まないよう共有したいと思います。

「対面打ち合わせ」はなるべく最低限に抑える

僕が以前依頼を受けたクライアントは、とにかく直接会っての打ち合わせがいいという人でした。

僕は何度も打ち合わせに呼び出されて打ち合わせをしていたわけですが、ぶっちゃけ時間がもったいない。

直接会っての打ち合わせは、打ち合わせ時間に加えて移動時間もあるのでかなり時間をロスします。1時間の移動時間なら往復2時間、打ち合わせ時間が2時間だとして、合計4時間のロスです。

打ち合わせの回数が増えると作業時間が削られるので効率が悪くなり、仕事が長引く可能性が高くなります。

フリーランスなら、ほとんどの場合自分一人だけで作業するわけですから、1つの仕事が長引いてしまうのはかなり致命的です。もし他の仕事を並行しているなら、仕事の両立が難しくなります。

今の時代、Skype、LINEなど会わなくたっていくらでも打ち合わせをする手段はありますので、リモートでの打ち合わせをクライアントに勧めてみましょう。

まあそうはいっても直接会っての打ち合わせでは、リモート打ち合わせでは説明やイメージしてもらうのが難しいような抽象的なことまで話し合うことができます。

なので対面での打ち合わせはもちろん重要です。ただ何回もやるものではないかなということです。

1週間に1度ミーティングとか、時間と交通費、カフェ代がかさんでもったいないですし、そんなに何回も打ち合わせをするということは1回1回の内容がスカスカな証拠です。

なので初回の対面打ち合わせで、サイト制作に関する要望や条件を一気にヒアリングしてしまうことが重要です。

前回のクライアントは「さすがに打ち合わせで呼び出しすぎでしょ…」とは思いましたが、あとで考えてみたらこれは僕に非があると思いました。

やはり僕にはヒアリングの能力が圧倒的に欠けていたなと。。

ということで打ち合わせを最低限の回数に抑えるにはヒアリングの能力が必要です。

ヒアリングでお互いのイメージを共有する

打ち合わせを減らすために必要なことは質の高いヒアリングを行うことです。

ダメなヒアリングの例は、「サイトのカラーは何色がいいですか?」とか「サイトの雰囲気はおしゃれなイメージですか?それともクールなイメージですか?」みたいな質問です。これではクライアントとイメージの共有ができていません。

たとえば、相手が「サイトのカラーはブルーがいい!」と言ったとしても、自分がイメージしている「ブルー」と一致しているか疑わしいです。濃いブルーかもしれないし、水色寄りのブルーかもしれないです。

自分はベースカラーとして全体的にブルーを使うと思っていて、クライアントは全体的には白をベースとして、ブルーはアクセントカラーとして使いたいと思っているかもしれません。

でも、それらの細かい情報をクライアントが自分から伝えてくれるとは限りません。というかほとんどのクライアントは伝えられないと思います。

言い方は悪いかもしれませんが、ほとんどの場合クライアントは素人なわけですから、ベースカラーとかアクセントカラーとか深く考えていません。でもなんとなく「こういうかんじのデザインがいい」みたいなものを持っています。

なにが言いたいかというと、クライアントはものすごい抽象的に自分の考えるデザインイメージがあるんですが、デザイナーではないからそれを言葉にすることは難しいということです。

そういう細かい情報をヒアリングして引き出し、相手が言いたいことやイメージしていることを具現化することが、ヒアリングにおけるデザイナーの役目だと思います。自分と相手のイメージを出し合って共有していくんです。

このヒアリングがしっかりできていないままデザインを作って見せると「イメージしていたのと違うんだけど」と言われてしまう可能性があり、修正地獄になります。

まずはヒアリングをしっかりすること。相手に聞かずに、自分で勝手に考えをまとめないこと。それは自分が良いデザインと思っているだけで、相手は良いと思っていないかもしれません。

自分の作品作りではなくお客さんのサイトを作るわけですから、相手の意見をしっかり引き出しましょう。

デザインの合意を受けてからコーディングする

「ヒアリングして大体自分の中でデザインがまとまったから、早速コーディングしてサイトを制作していこう!」ではありません。

まずはデザインの設計書を作成します。

まずワイヤーフレームを作成・提示

まずはワイヤーフレームを作成し、クライアントに提示してサイトデザインの確認をします。

ワイヤーフレームとは、サイトの設計図のことで、主にphotoshopやIllustratorなどのグラフィックソフトを使用して作成します。人によってさまざまで、手書きで作成する人もいます。

まずはpdfやpngなどの画像ファイルでサイトのデザイン設計図を作成し、クライアントに見せて確認してもらいます。

「ちょっとここ、こういう風に変えられない?」と指摘を受けたら、ワイヤーフレームを修正してまた確認してもらいます。

ここで「このデザインで作ってくれ」とOKが出てから、コーディングを開始します。

絶対にしてはいけないことは、このワイヤーフレームを作成しないですぐにコーディングを開始してしまうことです。

ワイヤーフレームを修正するのと、コードを書き直すのでは時間のロスが大幅に違います。

ワイヤーフレームを修正するなら、グラフィックソフトで短時間で終わります。コーディングの修正は修正内容にもよりますが時間がかかる場合が多いです。

コーディングしてサイトをほぼ完成させてからクライアントに見せて「イメージと違う」と言われたら、下手したらほとんど作り直しということにもなりかねません。

時間も大幅にロスして、自分のモチベーションも下がっていきます。

ヒアリングが上手くできていなかった時に助かる

ヒアリングでクライアントが求めているものを全然引き出せないまま、さらにワイヤーフレームを作成しないで、いきなりコーディング作業し始めたら最悪のコンボです。

ヒアリングで上手く聞き出せていなくても、ワイヤーフレームを作成してクライアントに提示したら「イメージが違う」とダメ出しをいただけます。

そこでクライアントの求めていることやお互いのイメージの共有ができ、再度ヒアリングするような流れになります。

相手の要望を引き出す最高のヒアリングができればそれが一番いいのですが、これは経験の積み重ね、デザインの引き出しの多さなどがスキルとして必要ですので、デザイナー初心者にはなかなか難しいです。

駆け出しデザイナーは自分で「上手くヒアリングできた!」と思っていても、実は上手くできていない場合があります。

ヒアリングが上手くできていなかった時のための砦になるので、絶対ワイヤーフレームを提示してデザインを確認してもらうことは必要です。

このヒアリングが上手くできていないという事態を避けるために、上述したヒアリングで具体的な質問や例を出すことが大事になるわけです。

ヒアリングが上手くできてワイヤーフレームを提示してOKをもらったら、安心してコーディング作業に進みましょう。

筆者の失敗談

ちなみに僕はヒアリングが全然できていなく、かつワイヤーフレームを作成せずに速攻コーディングし始めました。最悪のコンボをしてしまったんですね…

そして制作したサイトを見せたのですが、全くクライアントの求めているものと違い、ほぼ作り直しになりました。

最初はクライアントのせいにしたくなりましたが、完全に自分のミスでした。

僕の場合、早く制作を完了するために一番時間のかかるコーディング作業に早く取りかかりたくて、ワイヤーフレームを端折ってしまったわけですが、これは結果的に遠回りになる可能性がかなり高い。

デザイン案を見せないままサイトを制作してクライアントから一発OKもらうなんてほぼないですからね。

自分のモチベーションが低下し、本当に最悪の状態になるので必ずワイヤーフレームの作成・提示をすることです。

納期は必ず守る

当たり前のことですが、納期は必ず守りましょう。

もちろん一番の理由は、クライアントが希望した日にサイトをリリースできるようにするためです。

しかし、納期を守ることの重要さは自分のためでもあります。

なぜかというと、仕事はスピーディに終わらせることに越したことはないからです。サイト制作が長引けば、他の仕事を受注する余裕がなくなります。

つまり、自分の生産時間が奪われて売上の停滞につながるわけです。

たとえば6万のランディングページ制作の依頼を受けたとして、この仕事に2ヶ月費やしたとしたら月単位の売上は3万円です。3ヶ月費やせば2万円です。

制作案件が終わらずに長引けば長引くほど、他の仕事に当てられたであろう自分の生産時間を奪われ続けてしまいます。はい、フリーランスなら致命的です。

なので、相手の希望に応えるためにも、自分の生産時間を確保するためにも、必ず納期を決めて守ることがWebサイト制作において重要です。

期限内にサイト制作を完了させるためには、上述した「ヒアリングで相手の要望を引き出すこと」と「ワイヤーフレームを提出してデザインの合意を受けてからコーディングを開始すること」が重要です。

設計書があれば、後はそれを作るだけですからね。

たまに相手が納期を決めてこないことがあります。そういう時は自分で納期を決めましょう。人は期限がないとダレるので自分を追い込みましょう。

まとめ

4つの注意すべきことを紹介しました。まとめるとこんなかんじです。

  • 打ち合わせの回数を最低限にするために質の高いヒアリングを提供する
  • ヒアリングはただ聞くだけではなく具体例をバンバン出して、クライアントと自分のサイトデザインのイメージをすり合わせて共有する
  • ワイヤーフレームを作成してクライアントに提示、それからコーディング
  • 納期はクライアントのため、自分のために必ず決めて守る

この4つの注意点を意識してWebサイト制作を進めていけば、「最速で制作案件を終了させる」ことはもちろん、「クライアントの気持ちをくみ取る」ことができ、結果的にクライアントのためにも自分のためにもなると思います。

どれか1つが欠けてはいけませんよ。1つ1つが影響しあうので4点すべてを意識しましょう。

僕もこの4つの注意点を胸に留めて、今回のWebサイト制作に臨もうと思います。

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